タイタス・アンドロニカス

RSC（英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー）は、ローレンス・オリヴィエ、ヴィヴィアン・リー、ジュディ・デンチ、ケネス・ブラナーなどの名優を生み出してきたカンパニー。

「シェイクスピア・フェスティバル−The Complete Works−」では、シェイクスピア全37作を1年がかりで上演するために、英国内外の18の劇団が参加し、日本から唯一参加するのが蜷川率いる『タイタス・アンドロニカス』は、正式招待を受け、6月にストラットフォードで上演するんだ。
日本では、ゴルデンウィークの1週目前から、彩の国さいたま芸術劇場で。The Day Shakespeare was Baptizedである4月26日が初日。シェークスピアの洗礼日、バースディである。憎らしいことに水曜日だ。稽古場見学もあるらしい。都内に住んでいたら、いつでも行けるのに。

シェイクスピア全37作品中「最も残酷な芝居」であるといわれているグロテスクさは、蜷川幸雄によって氷雪の舞台に、白装束のキャストで、人形浄瑠璃文楽のように描いている。

殺人・強姦・奸計・権力闘争・カンニバリズムは、周の文王と重なる。紂王は、文王の息子伯邑考を煮たスープを飲ませ、サターナイナスとタモーラは、タイタスに殺された息子のパイを食べさせられる。

人間は、いつでも被害者であり、加害者でもあるものなんだ。